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下らなくも愛しい日常
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―うるせえよ!!
言うたびに気管が焼けつくように痛む

―触るなよ!!
つかまれた腕がやけどしたように熱い

―下らねえ。
彼の言葉を否定するたびに、目頭が熱くなる。

―暑苦しいってんだろ?!
抱きしめられるとどうしていいかわからない。

―もう、勘弁してくれ。
とうに思考回路は焼けただれ、もう何も考えられない。

「ごめんな?獄寺、そんなに逃げねえでくんない?」

優しく覗き込むように許しを請う相手に素直になることもできない、
きつい言葉を吐きかけ、優しい腕を拒絶して、面倒くさそうな態度をとる。

「じゃあ、今日は俺帰るな?」
そういうと山本は驚かさないように腕を解き、2歩後退してそのまま背中を向けて夕闇に溶けていく。
こちらを振り返ることもなく。

お願い、帰らないで、傍にいて、優しい言葉をかけて。
素直に言えるはずもなく、かといって立ち去る山本の後ろ姿を直視することもできず、
唇を噛んで下を向く。
不意に制服のポケットに入れた携帯が鳴り響いた。
とっさに出して相手を確認もせずに送られてきたメールを開く。
『獄寺』
メールにはそれだけが書かれていた。
驚いて顔をあげると、
行ってしまったはずの山本が携帯を片手にゆっくりとこちらに近づいてくる。
視界が歪む。
喉にこみ上げてきた何かをこらえていると、
柔らかい体温にそっと包まれる。

「獄寺のこと、すげー好き」

何か言い返そうと思って開いた口からはヒュっという嗚咽を飲み込むようなかすれた音しか出ないで、
何度か口を動かしても、やっぱり言葉は出ないまま、
何も言えないままに、
そっと山本のシャツの裾をつかんだ。

どうかお願い、離さないで、諦めないで、離れていかないで。

自分から追いかける勇気はまだ持てないまま。
祈るような気持ちで指先に力を込めた。
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なんとなく付けたTVから、一昔前のラブロマンス映画が流れてきた。
他に見るものもなかったのでなんとなくそのままリモコンをおいた。

―この俳優の名前、なんだって…

黒い髪に黒い瞳のしなやかな体をもった俳優が女優に優しく微笑みかけていた。

―全然違うな…

脳裏によぎる黒い髪と黒い瞳のヒットマンが浮かべる微笑みは、氷の様で、気まぐれに伸ばす手はいつだって同じくらい唐突にこちらを突き放す。

情熱的な音楽の中で、男女がそれぞれの想いを語る。
かわいらしい女優の柔らかそうな肢体を男優がそっと抱きしめる。

ランボは手に持ってきたカプチーノを一口飲み、ゆっくりと瞬きをする。

映画はどんどんストーリーを進めていき、想い合っていたはずの男女がそれぞれすれ違いを始める。
上手く伝わらない想いにお互いが焦れ、時間ばかりが過ぎ、
そして、
とうとう別れの日が来る。

素直に言えなかった言葉、伝わらない想い、心は結局重なり合うことはなく、絡み合ったと思ったものは幻想だった。
『欲しいものを欲しいと泣きじゃくる素直な子供みたいに泣けたらいいのに』
そう言いながら過去になってしまった関係に女優は美しい涙を流していた。

ランボはカプチーノをもう一口飲みたいと思ったが、カップの中はからになっていた。
立ち上がるのもおっくうで、そのままソファにもたれかかる。
映画の内容はいまいちよく覚えていない

「退屈だ…」

昔だったら感動したであろうラブロマンスは古臭さが先に立ち、なんとなく感情移入できないまま、
最近はあまり大きく感情を動かすこともなくなってしまった。

そういえば、昔は泣いてばかりいたな。
いつになったら枯れるのかと思うほどに涙は流れて、
欲しいものはなんでもその場でねだって。思ったこともすぐに伝えて。
わらって、泣いて、怒って…
毎日が忙しかった。

なんとなく、黒いヒットマンに会いたくなって、携帯電話に手を伸ばして止めた。
決定権はあちらにあった。
たとえば、もし明日会って、『お前とはもう二度と寝ない』
そう言われたら、ランボはただ『わかった』とうなづくだろう。

相手の気持ちを考えずに自己主張するほど子供じゃないし、
ましてや、映画の中の男女と違い、付き合っているわけでもない。

ランボはやっぱりもう一杯カプチーノを飲みたいと思った。
それでもソファにもたれた体は動かないままだった。
そっと手を合わせ、宙を見上げたまま目を閉じた口の上にそっとかざし、

そういえば、とふと頭によぎった想いを反芻した。

泣き虫と言われなくなったのはいつからだったろう?

もう、最近では泣き方すら忘れてしまった。


今週号をさっそく読んだところ、
危ない危ない・・・公衆の面前でいきなり発禁レベルの表情をさらけ出す所でしたよ。

もうランボさんのかわいらしさ、あほらしさを前面にアピールされていた回ではなくって?(知らないよ)
もはや叶お姉さま超えたよあれ、日本のセックスシンボル峰不二子並みだよあれ?

だってさあ!!ランボのボックス兵器の名前、「牛丼」って・・・
思わずぶふわあ!!っと食っていた春雨噴き出すところでした。
何このネーミングセンス、いや、ナッツとかどこぞのプリキュア思い出すわね、とか、メスに我流はないのでは・・・とか気になりつつもかわいらしさに顔のニヤける名前はあったよ!!
でも「牛丼」って・・・
それもう、アメリカ人とかがうっかり形が気に入ったとかでタトゥーに「台所」「教育実習」とか入れちゃうのと同じレベルだよ?
あれだけ周囲に日本人居るのに、ついでに漢字に強い中国もそろってるのに誰も止めなかったのかしら?
あの無駄にカッコよくなった25歳ランボも使うのだろうか。
「牛丼、ふふ、まったくこまった子猫ちゃんだ」
みたいな使い方をしてくれるのだろうか。
・・・萌える(おい)、でも笑える。
つうか絶対、若気の至りでやってしまったこの名前に、なんでもないふりをしながら呼ぶたびに恥ずかしさに身もだえながらもなんでもない風を装ってるんだよ。
イーピンとかに「だから言ったのに・・・」とかため息疲れて可哀そうな子、みたいな目で見られるんだよ!!!
ありがとうございました。神よ(はい?)
でもね、「牛丼」、食われてしまっているんですが。
調理されてしまってるんですが倫理的配慮としていかがなものか・・・
それとも深読みするとあれか?
ランボさんの食べちゃいたいくらいにかわいらしいところを前面にアピールしてみました的なアレか?
そうか、そうなんだな?!
その心意気、しっかりと受け止めました天野先生(きっと受け止めてほしくないだろうよ)
そんなわけで、これからも精進したいと思う今日この頃です。
何だかうすら頭がいたいです。
こう、こめかみずきずきみたいな。どうしたことだ・・・私の思考回路の痛さに神様がちょっと落ち着けよ的なメッセージを送ってきたのか?
でも無理です神様、そのせいで何にもせずに萌サイトめぐりに精を出してしまっています。
悪化の一途をたどっているよ、どうしてくれるの神様。

そういえばみなさんプラナリアってしってます?(唐突)
生理学とかの再生実験とか、心理の嗜癖実験とかに使われる水生生物です。
なんか茶色っぽくって丸い目があって結構かわいいんです。
半分に切ってほっとくと再生して2匹に増えます。また切ると増えます。
なんかポケットの中のビスケットのようだと思いながらいつも友人が飼っているのを見ているのですが。
この前いつもおしゃれな友人がおしゃれな服装のまま、ゴム手袋とゴム長くつ(黒いやつ)を装備して青バケツとスポイトなど持ちながら歩いていました。
一体何のプレイが始まるのかドキドキしながら(どんな思考回路だ私)
何してるのか聞いてみたところ、これからプラナリアを捕まえに行くとのこと…
近くの川にいるらしい。ついでだから私も一緒に行きました。
しかし、このプラナリア、一部に熱烈なファンがいるらしく、よく捕獲できるスポットなどがネットでピックアップされている…すげえよ、プラナリア…
ちなみに彼女もとてもプラナリアを愛していて、後輩が水質の管理に失敗してプラナリアを溶かした時
注:プラナリアは水質があっていないと溶けて消えます。
泣きながらその水を供養していました。
そんなこんなで川に行き、何をするのかと思えばいきなり川に入り石を持ち上げ凝視…
おもむろに筆で石をなで、素早くバケツへ・・・
これでとれるらしい。
青夏も一応水に入ってみましたが、後半から後ろでボーっと彼女のやっていることを見ているというつかえなさっプリ。
しかも、彼女がかわいいからだか、プラナリア採取中、いろんな人に声をかけれられる、犬にほえられる。まあ、すごいモテプリ。
そのつど丁寧にプラナリアについて教える彼女の布教活動に私もスコア―ロの髪の素晴らしさやランボさんの髪のモジャっぷりをこうやって布教せねばと気持ちを引き締めていたことなど露ほどのも知らないだろうよ。
それでもしばらくしてみてるのとか河原の石を並べるのに飽きたので(何しに来たんだお前は)
再度プラナリア採取にチャレンジ!!
やっと一匹見つけて彼女のバケツに入れようとしたら、
「駄目、もう5匹もとったから、乱獲は駄目なの」
すごい真剣な顔でそっと石を戻されました。
彼女ルール的にこの川で一回にとるプラナリアは5匹までらしい・・・。
カッコいいよ、あんたすごい愛情だよ…!!!ついでに川掃除してるし!!!
そんな感じで感動しながら一緒に掃除して、ゴム長ぐつでぼっこぼっこ、帰りました。
それにしても、研究室で動物実験やっている子たちはいろんなものを飼っています。
ヤドカリとか金魚とか、ハトとラット・・・。
青夏はラットですが、いい話相手だよ彼らは(みんなオスだから)。
ハト飼ってる子はハトの胸毛の立派さに萌えるらしい。
人それぞれです。

ああ、頭痛い…
「dolcetto o scherzetto?!」
「は?」

唇に甘い…

「ごまかしたって駄目だぞ!!dolcetto o scherzetto?!(お菓子をくれなきゃいたずらするぞ?!)」
「アホ牛、イタズラしたら殺すぞ」
10月31日、冬の訪れを感じさせるように、日々色づいてくる空気が冷たい。
だが、室内はそんな外の空気を感じさせないように、空調は23度に保たれて快適だった。
そんな室内の中で獄寺は綱吉に頼まれ、ランボのボックスの修行に5年前から付き合っている。
いやいやではあったが、綱吉の頼みだと最初に付き合ってから、だらだらと5年間も続いてしまっていた。
本能と直感で動こうとして失敗するランボに、獄寺のデータや基礎を基本とした教え方は合っていたようで、今では戦い方は獄寺、日常的な常識はフウ太が家庭教師を務めるというように分業がなされていて、いまさら止めたいとも言えない。
今も、ランボにやる気の炎の適正なコントロール方法について理解させるための教材を作成しているところだった。
「だって、ハロウィンだよ?!今日はハロウィンなんだよ?!ランボさんにお菓子をあげるべきじゃないのかしら?!」
相変わらずウシガラの服を着たランボは獄寺の”殺すぞ”の一言に怯えながら必死に言いつのる。
獄寺はPCから目をあげずに、ハロウィン?と繰り返した。
「え?獄寺ハロウィン知らないの?」
今度はランボが驚く、獄寺はPCを見たままキーを素早く叩き、何かを表示させてから
「ああ、commemorazoino die defunti(死者をしのぶ日)の前夜祭のことか」
「・・・」

何やら泣きそうな顔をして黙りこんでいるランボに、獄寺は視線をあげ、しょうがないだろというように続けた。
「イタリアじゃあ、ハロウィンなんて習慣ねえんだよ。キリスト教圏ならどこでもやってるわけじゃねえんだ。とくにこの辺じゃバチカンがバカ騒ぎを歓迎しねえからな。」
だから、お菓子をあげるだの、仮装する習慣は知らなかったのだと言う。
ランボは日本で過ごす時間が多かったので、お祭り好きの奈々あたりが教えたのだろう。
なおも不満そうな情けない顔をしているランボに大体仮装してねえだろ言えば、今度は必死に
「ウシだよ!!ウシのお化けだよ!!」
と言いつのる。
「ウシのおばけって、ミノタウルスか?」
「何それ?ランボさんそんな奴知らないもんね」
「ああ、これだよ。」
また再度キーボードを叩き、ギリシャ神話の中からミノタウルスのページを見せてやる。
トコトコと獄寺の横に回り込み、覗き込んだ画面には、顔だけ牛の恐ろしい怪物の姿が映っている。
その上、ミノタウルスが迷宮に閉じ込められ、最後には殺されてしまう下りを読むと、半泣きになった。
生まれながらに疎まれる。閉じ込められて、だれにも愛されないで、抱きしめられないで、冷たい迷宮の中で殺されてしまう。
とても淋しい、悲しい気持ちになって、ランボは獄寺の腹部に腕を回してギュッとしがみついた。
獄寺は温かかった。

「おい、人のシャツに鼻水つけんな」
「鼻水じゃないもん」
「なんでもいい、とにかく離れろ」
「やだ」

はあ、と獄寺はため息をつくと、ランボは怒られると思ったのかビクっと肩をゆらす。
そんなランボを見下ろし、くせ毛でくるくるとウェーブするふかふかの頭を軽くはたくとおいと声をかけた。

「さっきのセリフもう一度言え」
そろそろと顔をあげたランボは一瞬何のことかわからずきょとんとするが、その後抱きついたまま
「dolcetto o scherzetto?!(お菓子をくれなきゃいたずらするぞ?!)」
と叫んだ。
そんなランボをやれやれと見下ろし、ほらよっと獄寺はポケットにあった飴玉を口に放り込んでやった。

それはとても甘い幸せの味。

冷たい迷宮じゃあ生きていけないから
ミノタウルスだって、だれかが抱きしめてあげればよかったのにね。
そうすれば、温かさに気付いて
愛をあげることも、もらうこともできたのに。



遅くなりました…ハロウィンネタ。
イタリアではあまり祝う習慣がないそうです。
ランボと獄寺はどんな関係でもつぼです。






 
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